コラム

人材アセスメントプログラム導入方法

 

本ページは、以下のような問題意識をお持ちの方をサポートします

  • アセスメントプログラム導入に当たって押さえるべきことを理解したい
  • アセスメントプログラムを実施しているが、内容を見直したい
  • 現行のアセスメントプログラムが適切なのかを検証したい

 

(1)アセスメントプログラムの基本構造

アセスメントプログラムは、「評価精度の高さ」を担保するために、いくつかの条件を満たす必要があります。ひとつが演習による状況設定。必ず複数の状況設定を行ったうえで、評価の根拠となる行動事実を収集することが必要です。次に、明確で適切な評価基準。評価の基準とは、評価項目のことで、アセスメントプログラムではディメンジョンと呼ばれます。もう一つが一定の評価プロセス。①訓練を受けたアセッサーが、②評定のための十分な時間を費やして評価を行ったうえで、③複眼による検証を経て評価を確定すること、が必須条件です。以上、3つの条件を満たすことで初めて、精度が高い評価を行う環境が整います。

アセスメントプログラム設計に当たっての基本条件

 

(2)演習の種類と特徴

リーダーシップを発揮するためには、様々な困難な局面に対処する必要があります。そのようなリーダーが直面しうるハードな状況を演習のなかで演出し、被評価者に様々な揺さぶりをかけていきます。例えば、状況が不透明な場面、プレッシャーがかかる場面、対立が生じる場面、感情的な反発を受ける場面など、被評価者は様々な困難が生じる場面を体験します。そのようなハードな場面を複数設定することによって、被評価者の行動特性を明らかにしていきます。演習の種類は、➀インバスケット意思決定演習 ②方針立案演習 ③グループ討議演習 ④面談演習の4種類あります。少なくともこれら4つの演習を行うことで、リーダーとしての能力特性を正確に評価することができます。

アセスメントプログラムにおける演習の種類と特徴

(3)適切な評価項目とは

能力とは、「ある特定の物事を成し遂げることのできる力」を指します。ただし、一言で能力と言っても、複数の要素の組み合わせによって構成されていることを押さえる必要があります。例えば、「日本語で文章を作成する」場合、①特定の文章を作成するための専門性が求められます。また、②語学力(日本語に関する知識)や③技能(特定の文章における型やパターンなどの専門知識や技能)も必要でしょう。さらには、④思考力(文章の構成を整える)、⑤姿勢(粘り強く文章作成に向き合う)、⑥対人(読み手への配慮)などの能力も問われます。このように、「日本語で文章を作成する」という一つの行為でさえも、複数の要素の組み合わせによって成し遂げられていることがわかります。ここで挙げた要素全てが能力です。そのうち、➀~③は専門的能力、④~⑥は汎用的能力と大別できます。能力評価に当たっては、まずは、必要となる能力を要素分解することが必要です。また、リーダーシップの発揮に関わる能力適正を測定する際は、汎用的能力に焦点を当てることが重要です。曖昧で様々な要素が混在する評価項目のままでは適切な評価はできません。「文章力」という評価項目では、リーダーとしての適正を測ることはできないのです。

適切な評価項目例

(4)評価の基本プロセス

アセスメントプログラムにおける評価のプロセスは、大きく分けると観察、記録、分類、評価という4つのプロセスに分かれます。複数の演習において表出されたアセッシー(被評価者)の行動事実を観察、記録したうえで、行動記録全体を通じた傾向も踏まえて、行動事実に解釈を加えます。同じ行動事実も解釈の仕方によって評価結果は大きく変わります。行動事実の解釈をもとに、それぞれの行動事実がどのような能力によってもたらされたのかを分類していきます。そして、一定の評価基準に沿って、保有能力を点数化します。尚、一連の評価プロセスは複数のアセッサーが行うことで(複眼評価)、より精度の高い評価を担保します。

評価の基本プロセス

(5)評価結果の見方・活かし方

一般的にアセスメントプログラムにおいては、複数の能力項目(10~20程度)を定め、能力評価の結果を5点法もしくは7点法で数値化します。

当然、全ての能力の数値が高いことが望ましいですが、昇進昇格判断においては、3つの視点で多面的に評価結果を捉えることで、評価結果をより有効活用することができます。

3つの視点とは、1つ目は、「総合点の高さ」です。総合点の高低によって、「昇進昇格にふさわしい水準に達しているかどうか」を「判断する」ことに活用します。

2つ目が、「得点バランス」です。総合点が同点の場合は、よりバランスよく得点できているほうが、相対的に適正は高いと言えます。特に、著しく評価が低い能力項目がある場合、何かにつけてその能力項目がパフォーマンス発揮の足枷となり、結果的に組織を望ましくない方向へ導いてしまうリスクが高まります。得点バランスによって、「よりふさわしい人材は誰なのか?」を「見極める」ことに活用します。

3つ目が、「能力上の特徴」です。特に、最も高い評価と低い評価に当たる能力項目に着目します。個々の人材にとって、評価が高い項目は「強み」、評価が低い項目は「改善点」になり得ます。この組み合わせは千差万別で、その組み合わせが個々の人材が持つ特徴です。「特徴」を捉え、「どうすればより能力を開発あるいは発揮できるようになるか?」を本人にフィードバックすることで、「能力の開発と発揮を促す」ことに活用します。

以上、3つの視点で評価結果を捉え、活用することで、ヒューマンアセスメントにおける評価結果の価値を最大化することができます。

評価結果の見方

コラム一覧
© LEAD CREATE Inc. 2019