アセスメントプロジェクト導入事例

リードクリエイトの人材アセスメントサービスをご活用いただいている
クライアントの導入事例を一部ご紹介します

事例 1

適正な人材を管理職へ登用するための昇格審査

業界情報・通信

従業員数1,200人(単独)

背景

本クライアントはこれまで、人事考課の結果と上司推薦、そして外部のアセスメントプログラムを利用し、管理職への昇格を決めていた。しかし、外部のアセスメントプログラムを導入しているものの、10年前に導入した当初から評価する項目は変わっておらず、新たに管理職に昇格した人材が期待通りの成果を挙げることができなくなってきていた。ご多分に漏れず同社も、10年前とは事業環境が大きく異なっており、管理職に求められる人材像が変わってきているという問題意識を持っていた。 上場を機にコーポレートガバナンスを強化する一環として、昇格審査の見直しが行われ、改めて自社の事業環境に則したリーダー選抜を行いたいという考えに至り、アセスメントセンターを導入することとなった。

概要

まずは、一定の基準を満たした人材の中から、上司が管理職の候補者を絞り込む。対象者は2日間のアセスメントプログラムを受講し、管理職として求められる能力を備えているかどうかを見極める。アセスメント結果については、対象者へは今後の能力開発を効果的に進めることを主眼に置いたレポートを、人事へは昇格判断に資するためのレポートを提出する。さらに人事役員が参加する報告会を実施し、対象者一人ひとりの保有する能力特性を報告する。

効果・課題

現在の事業環境で活躍できるリーダー人材の見極めが行えるようになったという手ごたえを感じており、管理職に昇格する人材の質は明らかに上がってきている。対象者自身にとっては、今後管理職として活躍するための能力開発に関するキーポイントを理解する良い機会になっている。また、同社は複線型人事制度を採用しており、対象者はアセスメント結果やフィードバック内容をもとに、改めて自身のキャリアを考え、広げる機会にもなっている。さらに、これまでは実施してこなかった他社データとの比較も行っており、社内評価だけでなく市場から捉えた対象者のリーダー適性も把握することができるようになり、他社をベンチマークしながら育成施策を検討している。

対象

管理職候補者層約40名

事例 2

重要等級へ適した人材を登用するための昇格審査

業界シンクタンク・マーケティング調査

従業員数約300人(単独)

背景

本クライアントはサービス系大手企業の子会社として安定的な事業運営がなされていたが、大きな環境変化に伴い自主独立的な事業運営への転換が余儀なくされた。また、社員の4割が管理職という社員構成になっていたため、組織体制ならびに人事制度の改定とあわせて、昇格審査としてアセスメントセンターを導入することになった。

概要

管理職への昇格時とその一つ下の階層である管理職候補者層への昇格審査として、2日間のアセスメントプログラムを実施。管理職昇格審査では評価を主とした標準的なプログラムを実施、一方管理職候補者層への昇格審査では、気づきや学びの時間も組み込んだアセスメントプログラムを導入している。また、両階層とも求められる能力要件を統一し、中期的観点からリーダーとしての能力開発を促している。 アセスメント実施後の報告会では、対象者の上司も参加し、対象者一人ひとりのアセスメント結果について、説明や質疑を行うことで理解と納得を担保すると同時に、職場における関わり方や育成の方向性についても検討する機会としている。また、アセスメント結果を決めるアセッサーミーティングを必ず実施し、そのミーティングに人事担当者も同席する。アセスメント結果と職場評価のギャップが生じた場合は、その理由を理解することにより、人事部門として現場への説明責任が果たせるような準備も行っている。

効果・課題

過去、社内指標のみで管理職昇格者を決定していたが、アセスメントによって客観性と公平性が付加された。そのことにより社員の納得感が醸成されるとともに、これからどんな能力を育んでいく必要があるのか、そのために取り組むべきことは何かを、社員自らが考える風土が浸透してきている。また、社員のキャリア形成においては、マネジメントポジションだけが目指すキャリアではなく、自身の専門性を活かしプロフェッショナルな領域で活躍していくキャリアも選択肢としてあることを本プロジェクト内で伝えており、今後のキャリアについて考えたり、話し合ったりする場としての機能も果たしている。

対象

中堅社員層約15名/管理職候補者層約10名

事例 3

課長職への意識づけと成長課題の明確化

業界電気機器

従業員数約2,000人(単独)

背景

本クライアントでは、事業拡大に伴う組織数の増加、そして、課長職の役職定年者の増加が起因し、数年後には課長職が枯渇する状況に直面していた。そのため、すぐにでも課長職を担うことのできる人材を候補者として準備する必要性に迫られていた。同時に、海外拠点を含めたグローバル共通のコンピテンシーを導入したタイミングでもあり、課長職層の育成のあり方を見直さなければならないという課題認識もあった。課長職に昇進してからマインドセットや能力開発を進めるのではなく、前段階から準備を進めることで、課長職候補者をプールしたいという狙いのもとアセスメントセンターを導入することになった。

概要

部門長から推薦された課長職候補者に対して、課長職に求められる期待役割や必要となる能力の理解、ありたいリーダー像の言語化をテーマに2時間程度の研修を実施。まずは課長職に向けたマインドセットを図る。その数か月後に2日間のアセスメントプログラムを受講する。対象者が保有している能力の特徴を棚卸し、自身の強みと課長職に向けての能力開発上の課題を明らかにする。また、課長職に求められる能力に紐づいた「eラーニングコンテンツ」も用意し、対象者個々人が課題解決に向けて自己啓発が進められるような仕組みを構築している。

効果・課題

このような施策を展開し始め約5年が経過し、徐々に課長職に昇進する人材の質にも変化が見られ、課長職を計画的に輩出する仕組みとして機能しつつある。課長職候補者個人の課題を明確化し、個々にあった効果的な能力開発を進めることができるようになったことに加え、候補者の課長職適性も把握することができるため、人材配置の観点でも活用するようになってきた。また、課長職層の育成のあり方を見直したこともあり、課長職層全体の底上げができたという声も挙がっている。今後の課題は課長職になった後の継続的な能力開発。課長職昇進2年目に360度診断を施策として導入し、更なるレベルアップに向けて継続的な能力開発への意識づけを行っていく。

対象

課長職候補者約80名

事例 4

将来的に経営を担う存在として期待されるリーダー人材へのリフレクション

業界機械

従業員数約5,000人(単独)

背景

本クライアントは近年、将来の経営幹部として期待されるリーダー人材を課長層から選抜し「幹部候補者研修」と位置づけ、育成を目的に実施してきたが、研修後の行動変容や能力開発に向けた取り組みが不足しているという問題意識があった。それを解決するために、対象者自身が次のステージに向けて、何に取り組むべきなのかを改めて考える場が必要だと認識していた。同時に、その場限りの気づきで終わらせないよう対象者の上司も巻き込んだ能力開発支援を促していきたいという思いもあり、アセスメントプログラムをそのきっかけとするべく「幹部候補者研修」の一部として導入することになった。

概要

選抜された対象者の上司に対して、「アセスメントを活用したリーダーシップ開発支援」をテーマにしたガイダンスを実施することからスタート。対象者をアセスメントプログラムに送り出す際の意識づけ、アセスメントプログラム後のリーダーシップ開発における関わり方などを学ぶ。その後、対象者はアセスメントプログラムを受講。リーダーとしての現状を棚卸し、次のステージに向けた取り組み課題を明確化する。アセスメントプログラム終了後は再度上司に対して、フォローアップを実施。アセスメントプログラムで明らかとなった、対象者の特徴をレビューするとともに、今後の能力開発支援策を検討する。対象者はアセスメントプログラム後も「幹部候補者研修」が続き、経営戦略や課題解決、経営財務など、経営リーダーに必要な基礎スキルを習得するとともに、経営の視座から、経営状況や事業環境を分析し、今後の戦略プランを立案、それを現役員に向けてプレゼンテーションを行うというプログラムを受講する。

効果・課題

対象者が経営幹部としての成長課題や今後のアクションについて考える機会として機能していることに加え、直属の上司に対しても、部下育成のマインドチェンジに繋がっていることが大きい。“現場の仕事をこなすうえでの業務指導”から“自身の後継、ひいては経営幹部としての人材育成”と捉えるようになり、どのような機会・支援を行うべきかを具体的に考える場となっている。また、人材開発部が企画・運営をしているプロジェクトだが、アセスメント報告会の場には、人事制度設計担当者や人事全体を統括する責任者が一同に集まり、今後の人材育成やタレントマネジメントに関するディスカッションを行っており、人事部門内を横断した議論ができる機会にもなっている。

対象

役員、事業部長の合議制で課長層から選抜されたリーダー人材10名

事例 5

課長職へ登用される管理職予備軍プールのための昇格審査

業界その他金融業

従業員数約4,000人(単独)

背景

本クライアントは、数年前まで昇格審査にリードクリエイトのアセスメントセンターを導入していたが、諸々の事情があり廃止となった経緯がある。その後は特定の昇格審査を設けず、人事考課の結果と現場上司の推薦のみで昇格を決めていたが、社員からは「人事考課の基準をクリアしているのに、なぜ自分が昇格できず他の人が昇格するのかわからない」、推薦する上司からは「誰を昇格させれば良いか、正直わからない」「以前は昇格審査に向けて勉強したり意識を高めたりしていたが、その機会が無くなってしまっている」などの声が挙がるようになり、再度アセスメントセンターを昇格審査として導入することになった。

概要

昇格審査におけるアセスメントセンター導入に向けて、私たちが提唱する「協創型リーダー」をベースにした評価項目をコンピテンシーとして導入。まずは職場での評価項目と昇格審査での評価項目を統一した。その後、対象者の上司にあたる部長・課長層に対して「アセスメントプログラムを活用したリーダー育成支援」というテーマでガイダンスを実施。アセスメントプログラムの理解促進や職場での能力開発について意識づけを図り、アセスメントセンター導入の土俵を整えた。 昇格審査としては、1日間のアセスメントプログラムを実施。1日間という時間的制約があり、講義・解説、振り返りなど能力開発に繋がる時間を十分に担保することはできないが、アセスメントプログラム受講の翌日にフィードバック面談を設けることにより、対象者の自己理解の促進と納得度を高める工夫をしている。また、ここ数年昇格試験を経ずに課長やその予備軍に昇進・昇格している社員も存在するため、すでに昇進・昇格した社員に対しても、同時並行でアセスメントプログラムを実施している。

効果・課題

昇格対象者の昇格審査結果に対する納得感の上昇、昇格審査という“イベント”に向けた学習・自己研鑽意欲の向上、上司自身の評価眼に対する内省など、当初の狙いに対して導入初年度から効果が見られたと言える。加えて、アセスメントセンターの導入を契機に職場での評価項目と昇格審査での評価項目を統一したことにより、期待される人材像と求められる能力の理解度が加速したと感じる。また、「人事考課は良好だが、昇格審査の結果は今一つ」というギャップも多くあり、いかに「次の階層に向けた準備という意味での育成」が機能していなかったという課題も浮き彫りになった。上司の部下に対する育成支援が「目の前の業務の指導」「単年度の業績達成」に偏っており、次のリーダーを育成する思想が欠けていることが認識でき、全管理職層向けにガイダンスを実施し、目指す人材育成のあり方(短期だけでなく中長期を見据え、次の階層の業務を段階的に業務アサインし、経験学習サイクルを回すこと)を発信・浸透させることにつながった。

対象

係長層約60名

事例 6

公平性を担保した大規模昇格審査

業界輸送用機器

従業員数10,000人以上(単独)

背景

本クライアントは、各部門から推薦された多数の昇格候補者が存在し、人事が昇格候補者の詳細を正確に把握することが難しいという悩みを抱えていた。さらに、部門により推薦される対象者の基準も曖昧で、対象者の経歴やバックボーンはもちろんのこと、保有している能力にもばらつきがあった。そこで、管理職というキーポジションにおいては、求められる能力を一定有した人材を配置したい、そして、人事として、平等・公平性を担保した上で昇格判断をしたいという思いから、アセスメントセンターを昇格審査に導入することになった。

概要

各部門から推薦された管理職候補者約600名に対し、2日間のアセスメントプログラムを実施。開催数は30回程度で約2ヵ月半の期間をかけて行っている。昇格判断に活用するため、管理職に求められる能力の保有度合いを測るとともに、管理職に求められる期待役割・能力の理解促進、また、管理職としての能力の棚卸しを行い、自己成長に向けた今後の指針を作ることをテーマとしている。対象者が600名規模であるため、アセスメントプログラムに関する情報漏洩が危惧されるが、複数パターンのアセスメントシミュレーションを準備し、開催会ごとに取り組むシミュレーション内容を異なるものにすることにより、公平性を担保するよう工夫している。また、コロナ禍においては、オンラインにてアセスメントプログラムを実施。日本を含むアジア圏内、北アメリカ、南アメリカ、ヨーロッパ、アフリカなど、複数の地域から参加する対象者に対しても、一律のプログラムを実施している。

効果・課題

同一の能力項目を基準に、同一の環境下で審査を実施するため、公平性が担保された昇格審査を展開することが可能となった。それに伴い、一定のレベルをクリアした候補者が管理職に登用されるようになり、管理職昇格者の底上げにつながった。また、その審査をクリアすることができない限り、管理職へ昇格することができないため、能力開発に対する意識の改革が起こり、個人レベルでの自己啓発だけでなく、今では各部門がこぞって能力開発に向けての取り組みを行うようになった。 ただし、昇格審査により蓄積された膨大な人材データを、昇格審査以外に活用できておらず、より効果的な人材マネジメントに向けてデータ活用が、今後の課題と認識している。

対象

係長層(管理職候補者)約600名

事例 7

人事制度改定による資格等級の整理に伴う再格付け

業界保険業

従業員数約1,500人(単独)

背景

本クライアントは、長年の職能資格制度に基づく人事制度の運用の結果、等級と役職の不一致が多く発生したり、昇格自体を部下に対するインセンティブとして使用する管理職が現れたりと、制度運用に綻びが生じかけていた。そのため、人事制度を抜本的に見直すこととし、役割等級制度に基づく人事制度を設計した。制度変更に伴い、従来2つの等級にまたがっていた係長層を1つの等級に統合。この新しい係長等級に見合う人材かどうかを見極め、適正な人材を新係長等級に格付けするために、客観的な指標による人材把握の必要がありアセスメントセンターを導入することになった。

概要

該当する約200名に対する再格付け審査と次期係長への昇格審査を目的としてアセスメントプログラムを実施。再格付けについては、評価に特化した1日間のアセスメントプログラムを実施。3年間の猶予期間を設け、その期間内に合格できれば新しい係長等級へ、この移行期間内に合格できなければ一つ下の等級に降格とする仕組みとした。この審査はリードクリエイトのアセスメント結果と社内の面接で構成され、2つの審査内容の総合評価で合否判定を行う。また、新制度で導入した評価項目をリードクリエイトのコア・コンピテンシーと連動させ評価点を算出する仕組みを作り、他社の評価データと比較している。

効果・課題

降格を含む再格付けという非常にセンシティブなテーマに対し、外部の客観性と妥当性の高いデータを判断基準に使ったことで、大きな反発がないまま猶予期間を終えることができた。また、新しい係長という役割に対する適正な人員の質と量を担保することに繋がった。不利益変更の緩和措置により即時に大きな効果が生まれるわけではないが、機運の高まりより大きな人的資本への投資に向けて、投資対象の見極めと投資資源の確保の実現に近づけることができた。また、係長昇格のアセスメント導入によって、そこに至るまでのマネジメント人材育成の道筋が整理できたり、能力が担保されている前提で知識や行動のインプットといった効率的な育成ができたりするようになった。

対象

全係長層約200名

事例 8

グループ会社共通評価軸による管理職昇格審査

業界化学

従業員数約4,000人(連結)

背景

本クライアントは、ホールディングス人事主催の研修実施やグループ統一コンピテンシーの発信はするものの、事業会社独自の教育体系や管理職要件、人事制度が存在していたため、グループ全体に人材戦略を浸透しきれない状況であった。各社独自の人材定義とそれに基づく人材評価を行っていたため「どの会社にどのような人材がいるのかわからない」「各社のマネジメント水準や傾向が見えない」といった事象が生じ、全体最適の観点で人材マネジメントを運用することに課題があった。これらの状況を打破するためにグループ共通の評価軸で行うアセスメントセンターを導入することになった。

概要

各社人事制度の改定やグループ統一コンピテンシーの改変に合わせて、管理職昇格審査としてアセスメントプログラムを全事業会社で実施し、グループ共通の評価軸で管理職の登用を決定している。共通の評価項目・評価レベルでアセスメントを行うことにより、各社の管理職候補者の比較が可能となった。アセスメントの結果は、各事業会社のマネジメントレベルや傾向把握、グループ全体でのサクセッションプランの検討、教育施策の構想に活用している。なお、事業会社によっては、係長層への昇格審査、部長層への昇格審査にてアセスメントプログラムを活用しているケース、さらにフォローアップ面談やフォローアップ研修、上司向けガイダンスなどを実施しているケースがある。管理職候補者を対象に共通のアセスメントプログラムを実施しつつも、上司向け施策や後日のフォローアップ施策など、各社の状況に応じたメッセージ発信やテーマ設定を行い、施策を実施している。

効果・課題

まず、グループ共通の人材指標ができたことで、グループ一体でのタレントマネジメントや人材戦略を練りやすくなった。これまでは各社各様で人事施策を進めており、人事領域においては“グループであることの意味”を見出せていなかった。グループでの経営・事業戦略をホールディングスが発信しても、それを実現するための人材データが存在せず、戦略を実行に移すまでには至らないことが多かった。しかし、アセスメントセンターを導入したことにより、各グループ会社の管理職候補者の能力の可視化が可能となり、徐々にその課題を解決できつつある。また、グループ内において共通言語・軸ができたことで、グループ人事メンバー同士でのコミュニケーション機会や連携が増えたという副次的効果も見られた。それぞれの特色を活かした異動・配置・交流・ビジネス上の連携などが、今後さらに深まっていくことが期待される。

対象

各事業会社の係長層約80名

事例 9

自立型人材への成長に向けた若手社員の基盤スキルの棚卸し

業界食料品

従業員数約5,000人(単独)

背景

本クライアントは、働く社員の価値観の多様化に伴い、会社と社員のつながりにも変化が生じてきていることから、社会に価値を提供し、競争に勝ち残っていくためには、「個の自立」が人材育成上ますます重要なテーマになると認識していた。その問題意識を背景に、入社から6年間を「個の自立」のための基盤づくり、戦力として着実に成長していくための重要期間と位置づけ、自立型人材に必要となる基盤スキルの強化に向けた仕組みを整理。その一環として、アセスメントセンターを導入することになった。

概要

入社1年目から3年目までをステージ1、4年目から6年目までをステージ2に分け、3年目の後半と6年目の後半にアセスメントプログラムを実施。いずれも自立型人材に必要と定義する基盤スキルの保有度を測り、対象者の能力開発上の課題を明らかにすることを目的としている。あわせて360度診断を実施し、アセスメントプログラムでは基盤スキルの保有度合いを、360度診断では保有しているスキルが職場で発揮できているかどうかという観点で確認している。対象者の上司に対しては、アセスメントプログラム、360度診断実施前後にガイダンスやワークショップを実施。育成責任者としての意識づけを要所で行い、アセスメント結果、360度診断結果を職場でのOJTに活かすよう連動を図っている。また、対象者には基盤スキルを強化するための選択型研修も準備。明らかになった課題克服に向けた自己啓発の場としている。なお、アセスメントプログラムによる評価に基準点を設けており、3年目の受講時にその基準点を超えた場合は、ステージ2での受講は免除される。

効果・課題

導入して4年が経過し、徐々に本施策の効果が実感できつつある。まず、本施策が浸透してきたこともあり、若手社員の能力開発に対する意識が醸成され、アセスメント結果の平均点が伸びてきている。そして、アセスメント結果の基準点を超える対象者の割合も、年々増加傾向が見て取れる。特に、3年目のアセスメント時に基準点に届かなかった対象者の伸び率が凄まじく、結果として若手社員全体の底上げにつながっていると感じる。その要因は対象者に対するヒアリングなどを通じて検証中ではあるが、対象者の上司の影響も大きな要素の一つであると考えられる。近年、導入当初は行っていなかった対象者の上司に対するするアプローチを強化しており、部下を育成するという意識の醸成が図られるとともに、職場での育成支援の実行に繋がっていると感じている。

対象

入社3年目社員約60名/入社6年目社員約30名

事例 10

部長層の効果的なサクセッションプラン

業界電気機器

従業員数約500人(単独)

背景

本クライアントは、親会社が変わったことによって、これまでは親会社の方針に従って事業を展開していたが、今後は独立色が強い事業推進が必要となった。その際に改めて自社の人材を見渡してみると、事業のキーパーソンである部長層の次の世代が育っていないという危機感を抱く。加えて、現部長層も高齢化が進んでおり、次期部長層を育成することが急務となった。部長層のサクセッションプランを企画する中で、部長候補者として挙げられた人材に対して、適正かつ効率的な育成を進めるために、保有能力のレベルと能力開発課題を明確化する目的でアセスメントセンターを導入することになった。

概要

まずは選抜された部長候補者と、その上司である部長に対して、2時間程度の「サクセッションプランガイダンス」を実施。部長候補者に対しては、期待事項やリーダーに必要となる要素について解説するとともに、今後の成長に欠かせない「自己認識の重要性」を説く。一方、上司である部長に対しては、リーダーに求められる要素を解説したうえで、「リーダーシップ開発の要諦」「経験学習の重要性」といった成長支援のための基本をレクチャーする。その後、対象者はアセスメントプログラムと360度診断を受講、部長としての自身の強み、課題を明確にする。 アセスメントプログラム実施後には、経営陣と人事に向けて報告会を実施し、部長候補者の現状について報告を行う。さらに、上司である部長に対しても別途報告会を実施し、候補者一人ひとりの詳細について報告。その報告内容をもとに、対象者の具体的な育成計画を策定する「サクセッションプラン策定ガイダンス」に進む。

効果・課題

現在進行中のプロジェクトなので、期待される能力を備えた部長を輩出するというプロジェクトの目的に対する具体的な効果が見えてくるのは、少し先になると思われる。現在、アセスメントプログラムと360度診断で明確になった部長候補者の能力レベルや課題を軸に、育成担当者である現部長がサクセッションプランを立案中。現部長に対して、「次の部長を育てる」というマインドセットはできつつある。

対象

課長層から選抜された次期部長候補15名