調査概要
本報告書は、リードクリエイトのアセスメントプログラム導入企業各社のご協力を得て、2026年1~2月に実施した活用実態調査の回答結果を集計し、全体傾向をまとめたものです。
本調査は、導入企業におけるアセスメントの活用実態を把握するとともに、人的資本経営に資する人材データ活用の在り方を整理し、サービスの品質向上及び付加価値の創出につなげることを目的としています。
近年、リーダー育成やタレントマネジメントの高度化を背景に、アセスメントの活用は、登用・配置判断にとどまらず、育成やキャリア開発、組織課題の把握など、様々な領域へと広がりを見せています。
本報告書では、導入目的や活用領域、効果・課題といった観点から、各社におけるアセスメントの活用実態を整理し、人材データ活用の現在地を明らかにしています。アセスメント活用の現状把握ならびに今後の施策検討の一助となりましたら幸いです。
| アセスメントプログラム活用実態調査2026の概要 | |
| 調査目的 | アセスメントプログラムの活用実態を多面的に把握し、今後のサービス改善及び付加価値向上に活かすことを目的として実施 |
| 調査対象 | センターメソッド型アセスメント* プログラムの導入企業 |
| 回答数 | 99社(回収率:87%) |
| 調査設問 | 20問 |
| 調査期間 | 2026年1月16日 〜 2026年2月13日 |
* センターメソッド型アセスメント
一定の役割や職務の遂行に必要な能力や特性を、複数の演習(シミュレーション)を通じて多面的に観察・評価する人材アセスメント手法。なお、本報告書における「アセスメント」は、特段の記載がない限り本手法を指すものとします。
本調査結果は、回答企業の集計結果であり、個別企業・個人が特定される形で公表されるものではありません
回答者属性
結果サマリー
全体
本調査から、リードクリエイトのアセスメントプログラムは主に係長・課長層を中心に導入され、昇進・昇格のほか、次世代リーダー育成といった能力開発の目的で広く活用されていることが明らかになりました。
特に、受講者の自己理解の深化や評価基準の共通化への効果実感は高く、人材マネジメントの土台として機能している様子が窺えます。
一方で、実施後のフォローや現場での活用、データの共有・活用の仕組みには課題も見られ、アセスメント結果を組織的な意思決定や人材活用へと十分に接続できているとはいえない状況も見受けられます。
▼導入・運用の実態
導入時の主な懸念は「導入費用・運用コスト」に加え、「自社の等級制度・評価制度・人事制度との整合性」や「評価結果の信頼性・妥当性」が挙げられました(結果2参照)。
また、導入後の活用領域としては「キャリア開発・本人の気づき支援」が最も高く、「登用・配置判断の質向上」や「個人の行動変容・上司との関わり改善」など、人材選抜・登用判断にとどまらず、受講者の自己理解・成長支援としても活用が進んでいるといえます(結果3参照)。
▼効果実感
効果としては「受講者が自身の強みや課題(啓発点)を客観的に認識できるようになった」、「経験や主観に依存しない、共通の評価・判断軸を持つことができた」、「フィードバックを通じて、内省や行動変容につながるきっかけが生まれた」が上位に(結果10参照)。
また、納得感についても約9割が肯定的に回答し、アセスメントが自己理解や行動変容の促進に加え、組織内における評価基準の共通化にも寄与していることが窺えます(結果8参照) 。
▼課題と構造的特徴
活用上の課題としては、「実施後のフォローや活用プロセスが明確になっていない」、「上司がフィードバックレポートの読み解き方を十分に理解できていない」、「人事システムとの連携がなく、運用が属人的になっている」が挙げられました(結果7参照)。
また、アセスメント結果のデータ管理も、社内の共有フォルダや個別ファイルとして保管される運用が主流となっており、システム連携を含めた一元的な管理・活用の仕組みは、十分に整っているとはいえません(結果4参照)。
さらに活用領域を見ると、「経営層への組織課題・人材戦略の示唆」や「各部門へのデータ提供による組織改善・支援」は限定的であり、活用の中心が個人や人事部門にとどまっている傾向も窺えます(結果3参照)。
▼アセスメント活用の拡張に向けた示唆
以上を踏まえると、アセスメントは受講者の育成や評価基盤として一定の機能を果たしている一方で、人的資本経営の観点では、組織横断でのデータ活用や経営判断及び人材戦略への接続には、なお拡張の余地があるといえます。
今後は、データの蓄積・共有・活用に関する仕組みを整備するとともに、上司を含めた現場でのフォロー体制を強化していくことが重要です。
またリードクリエイトとしても、今回の結果を踏まえ、評価品質の向上に加え、アセスメント結果が現場で継続的に活用されることを前提としたコンテンツ設計や運用設計の改善に取り組んでまいります。あわせて、人材データを意思決定につなげていくための活用方法の整理や可視化の高度化を通じて、人的資本経営への接続を支える仕組みづくりに貢献してまいりたいと考えます。
結果1:導入の階層・目的
Q2:リードクリエイトのアセスメントプログラムを導入している対象者(階層)と、それぞれの主な目的を選択してください(n=99/複数回答)
昇進・昇格の判断を軸に、次世代リーダー選抜や育成へと活用が拡張
本設問から、アセスメントプログラムは主に係長・課長層を中心に導入されており、特に昇進・昇格を目的とした活用が各階層で広く見られました。
係長層では、約7割が課長職への昇進や上位等級への昇格が目的に。主任層を対象としたプログラムでも約6割が同様の目的で活用されています。とりわけ、昇進・昇格の場面における基盤として機能していることが窺えます。
また、次世代リーダー選抜についても一定割合で活用されており、中長期的な人材選抜の観点でも活用が広がっているといえます。
能力開発を目的とした活用も各階層で一定程度確認されており、特に次世代リーダー向けの能力開発は全体で最も多く選択されています。課長・係長層では約4割前後が該当。アセスメントは登用判断にとどまらず、育成施策と組み合わせた活用も進んでいるといえます。
さらに階層別に見ると、主任~課長層は昇進・昇格が中心で、管理職層においては上位層になるにつれ次世代リーダー選抜の比率が高まるなど、階層ごとに活用の重心に違いが見られます。
なお、再格付けや配置転換を目的とした活用は全体として限定的であり、現時点では主たる用途に至っていない状況です。
結果2:導入の懸念・障壁
Q3:リードクリエイトのアセスメントプログラムの導入にあたり、検討段階での懸念点、及び導入プロセス上で障壁となった点についてお聞かせください(n=99/複数回答)
導入障壁は、「コスト」に加え、「制度との整合性」「説明責任」「社内の合意形成」「現場への理解促進」が複合的に存在
本設問から、アセスメントプログラム導入にあたる主な懸念として、「導入費用・運用コストの高さ」(55.6%)が最も多く挙げられており、最大のハードルとなっていることが明らかに。
くわえて、「自社の等級制度・評価制度・人事制度との整合性への不安」(28.3%)や「評価結果の信頼性・妥当性への不安」(21.2%)、「他社アセスメントサービスとの比較・優位性判断の難しさ」(20.2%)など、導入判断における合理性や納得性に関する懸念も見受けられます。
また、「効果・成果をどのように検証できるのかが分かりにくかった」(19.2%)、「経営層への説明や合意形成に時間・労力を要した」(14.1%)、「評価結果の取り扱いに関する社内意見の相違」(12.1%)など、社内調整や説明責任に関する課題も明らかになりました。
さらに、「既存の育成施策・研修体系・サクセッション施策との接続が難しかった」(13.1%)や「現場部門(上長・管理職)の理解促進や協力体制の構築が難しかった」(12.1%)といった観点から、組織内での位置付けや活用方法の整理に難しさを感じている企業も一定数存在していることが窺えます。
こうした結果から、アセスメント導入における障壁は、コスト面に加え、制度との整合性、効果を説明・検証することの難しさや社内の合意形成、現場への理解促進といった複合的な要素によって構成されていると考えられます。
結果3:アセスメントの活用領域
Q4:リードクリエイトのアセスメントプログラムをどのような領域で活用していますか?(n=99/複数回答)
活用は「キャリア開発・気づき支援」と「登用・配置判断の質向上」に集中。組織課題への活用は限定的
本設問から、アセスメントプログラムは「キャリア開発・本人の気づき支援」(77.8%)が最も高く、「登用・配置判断の質向上」(60.6%)や「個人の行動変容・上司との関わり改善」(57.6%)といった領域で主に活用されていることが確認されました。
この結果から、アセスメントは受講者本人の自己理解や育成の起点として機能するとともに、登用・配置判断における共通の評価基盤としても活用されていることが窺えます。
また、「人材データ(スコア・強み・啓発点等)の可視化・蓄積」(45.5%)や「育成体系/研修体系への組み込み」(38.4%)、「後継者選抜やタレントプール運営への活用」(28.3%)といった活用も一定程度見られることから、個人単位の活用にとどまらず、人材マネジメント全体へと活用領域が広がりつつある状況が見受けられます。
一方で、「経営層への組織課題・人材戦略の示唆」(16.2%)や「各部門へのデータ提供による組織改善・支援」(11.1%)は相対的に低い水準にとどまっています。この点からは、アセスメントデータの活用は主に受講者個人及び人事部門内に集中している傾向を示唆しています。
総じて、現状は個人の育成や評価を中心とした活用が進む一方で、組織横断でのデータ活用や経営の意思決定への接続といった領域においては、活用が限定的であるといえます。
結果4:アセスメント結果の管理・共有
Q5:アセスメント結果(個人データ/組織データ)は、現在どのように管理していますか?(n=99/複数回答)
Q6:アセスメント結果の「個人データ」は、社内のどの立場の方に共有・開示されていますか?(n=99/複数回答)
Q7:アセスメント結果の「組織データ(集計・分析結果)」は、社内のどの立場の方に共有・開示されていますか?(n=99/複数回答)
データは蓄積されているが、組織横断での活用は今後の課題
【アセスメント結果の管理について】
「人事部門が管理するフォルダ(サーバー/クラウド等)に保存している」(85.9%)が大半を占めており、「タレントマネジメントシステム等の人事システムに登録・管理している」(15.2%)は一部にとどまっていることが確認されました。このことから、アセスメントの結果データは一定程度蓄積されているものの、システム上で一元管理され、継続的に活用できる状態には必ずしも至っていない状況が窺えます。
【個人データの共有範囲について】
「本人(受講者本人)」(92.9%)、「直属の上長(受講者の上司)」(86.9%)、「人事部門(評価・昇進/昇格を担当する部署・担当者)」(72.7%)が中心となっており、受講者本人及び評価・育成に関わる関係者への共有は広く行われているようです。また、「経営層(役員・経営会議メンバー等)」への共有も54.5%と半数以上見られ、個人単位のデータについては比較的幅広い範囲で活用されていることが明らかになりました。
【組織データについて】
「人事部門(評価・昇進/昇格を担当する部署・担当者)」(69.7%)や「人事部門(育成・能力開発を担当する部署・担当者)」(62.6%)、「経営層(役員・経営会議メンバー等)」(57.6%)への共有が中心であり、「部門担当の人事/HRBP」(26.3%)への展開は限定的です。
これらを踏まえると、アセスメントデータは個人単位では広く共有されている一方で、組織単位のデータは主に人事及び経営層にとどまる傾向があり、現場への展開や組織横断での活用には偏りが見られるようです。
この背景には、人事部門を中心としたデータ管理体制や、部門ごとに分散した情報管理の影響により、データの一元化や横断的活用が進みにくい構造が推察されます。
結果5:報告会(アセスメントレビュー)
Q8:アセスメント結果の「報告会(アセスメントレビュー)」には、どの立場の方が参加していますか?(n=99/複数回答)
※その他:受講者の所属部門長や上長、各部門責任者、人事担当者など
アセスメントレビューは実施されているが、必要な関係者での問題意識の共有や議論は十分とはいえない
本設問における「報告会(アセスメントレビュー)」とは、アセスメント結果の共有にとどまらず、データの読み解きと意味付けを通じて、人材評価・登用・育成に関する意思決定や課題設定につなげるための場を指しています。
具体的には、受講者個々の評価結果に基づき、コア人材の特定や育成課題、配置・登用の方向性を検討する「人材個々の考察」と、受講者全体の傾向を踏まえ、組織としての人材特性やマネジメントの課題を捉える「組織・人材の考察」の両面から、人事施策の検討を行うプロセスとして位置付けています。
調査結果からは、「人事部門の責任者(人事部長等)」(66.7%)を中心に、「人事を管掌する役員(人事担当役員等)」(40.4%)や「経営層(取締役・経営会議メンバー等)」(32.3%)が参加しているケースが一定程度見られ、アセスメント結果が人事部門にとどまらず、経営層にも共有されている状況が確認されました。一方で、「部門担当人事/HRBP(24.2%)の参加割合は相対的に低い水準にとどまっています。
前述の通り(結果4参照)、組織データの共有自体も一定程度にとどまっている(26.3%)ことを踏まえると、データの共有及びその評価の解釈や意思決定に関わる場への関与はいずれも限定的な状況にあることが窺えます。
企業によってはHRBPが設置されていないケースも想定されますが、人事と現場をつなぐ役割を担う関係者がアセスメントレビューに関与することは、アセスメントデータを具体的な育成や配置の判断へと接続していく上で重要な要素と考えられます。そのため、こうした役割を担う人材の参画については、今後の広がりが期待されます。
また、「報告会を実施していない」(15.2%)とする回答も見られましたが、この中には導入初期で未実施の企業も含まれているため、必ずしも活用が行われていないことを意味するものではありません。
リードクリエイトでは、アセスメント結果を組織的な意思決定や人材マネジメントに活用いただくためには、関係者が参画し、データの解釈や活用方針をすり合わせる場を設けることが重要と考えています。
そのため、こうしたアセスメントレビューの実施を推奨しており、このような場の設計と運用を、企業に価値ある取り組みとして捉えていただけるよう、今後も取り組んでいきたいと考えています。
結果6:上⻑共有・事前施策・事後施策
Q9:人事部門から、受講者の上⻑に対して、アセスメントについてどのような内容を共有していますか?(n=99/複数回答)
Q10:アセスメントプログラムの実施前において、どのような施策・取り組みを実施していますか?(n=99/複数回答)
Q11:アセスメントプログラムの実施後において、どのような施策・取り組みを実施していますか?(n=99/複数回答)
上⻑へのアセスメントに関する共有は結果やフィードバックレポートが中心
本設問から、アセスメント実施における事前・事後の取り組みと、受講者の上長への情報共有や連携の状況について整理しました。
【上長への共有内容について】
「受講者本人のアセスメント結果及びフィードバックレポート」(86.9%)は広く共有されている一方で、「アセスメントプログラムの概要(内容・進め方・位置付け等)」(63.6%)や「実施の背景・目的、及び関連する人事施策に関する説明」(58.6%)は、相対的に低い水準にとどまっています。これらから、結果そのものは共有されているものの、その意味や位置付けまで含めた理解の促進は十分とはいえない状況が窺えます。
【実施前の取り組みについて】
「受講者への動機付け・目的説明」(69.7%)が中心である一方で、「受講者への能力要件・評価項目の共有」(20.2%)や「受講者へのアセスメントと既存の研修・育成体系との関係性の説明」(18.2%)は相対的に低い数字となっています。また、「事前施策を実施していない」(21.2%)とする回答も見られ、アセスメントの位置付けや評価観点が十分に共有されないまま実施されているケースも一定数存在している状況が見受けられます。
【実施後の取り組みについて】
「受講者へのフィードバックレポートの共有」(89.9%)や「受講者と上長による面談の実施」(59.6%)は一定程度実施されているものの、「受講者がアクションプランを作成し、現場で運用」(47.5%)や「人事によるアクションプランの進捗管理(16.2%)、「上長が育成プランを作成し、現場で運用」(8.1%)など、現場での継続的な活用や人事によるフォローは限定的となっています。
また、受講者の上長へフィードバックレポートの共有(68.7%)については、上長への共有内容(Q9)としては86.9%と高い割合で実施されている一方で、本設問では回答割合に差が見られました。設問の聞き方の違いにより回答に差が生じている可能性もありますが、レポート共有が必ずしも施策として体系的に設計・運用されているわけではない可能性も示唆されます。
以上を踏まえると、アセスメントは結果の共有までは広く行われている一方で、事前の認識合わせから事後の行動変容・育成への接続までを一貫して設計・運用している企業は一部にとどまっていると考えられます。
結果7:現場活用の課題
Q12:アセスメント結果を現場(上司・部門)で有効に活用する上で、課題となっている点は何ですか?(n=99/複数回答)
参考:
「その他」の回答では、アセスメント結果と育成施策や業務アサインとの連動が十分に図られていないことや、実施後のフォローの継続、現場での実践機会の確保、フィードバックのタイミングといった運用面に関する課題が挙げられている。
活用の課題は、プロセスの不明確さと現場との連携
本設問では、アセスメント結果を現場で活用する上での課題について整理しました。
最も多かったのは「実施後のフォローや活用プロセスが明確になっていない」(52.5%)であり、アセスメント後の運用設計に関する課題が顕在化していることが確認されました。
次いで、「上司がフィードバックレポートの読み解き方を理解できていない」(38.4%)、「人事システムとの連携がなく、運用が属人的になっている」(34.3%)が続き、現場での活用に必要な理解・仕組みの両面に課題が存在している様子が窺えます。
また、「現場に対して、評価結果の意味や活用意図を十分に説明できていない」(27.3%)、「人事制度と十分に連動していない」(24.2%)といった結果から、アセスメントの位置付けや活用目的が組織内で十分に共有されていない状況も見て取れました。
一方で、「評価結果に対する納得感が得られにくい」(11.1%)は相対的に低く、評価そのものへの不信というよりも、「どう活用すればよいか」が課題の中心であると考えられます。
こうした結果から、アセスメント活用が進まない要因は、評価の妥当性そのものではなく、①活用プロセスの不明確さ、②上司・現場における理解不足、③制度・システムとの接続不足といった複合的な構造にあることが示唆されます。
背景には、人事・現場・上司の役割が明確に分かれている一方で、それらを横断する活用プロセスの設計が十分に行われていないことが推察されます。
結果8:納得感
Q13:リードクリエイトが提供するアセスメント結果について、どの程度「納得感」がありますか?(n=99/単一回答)
Q14:Q13の回答理由をお聞かせください(自由記述)
アセスメント結果への納得感は概ね高い一方、評価の解釈や活用の認識合わせに改善の余地あり
Q13の結果から、弊社が提供するアセスメント結果に対する納得感は全体として高い水準にあることが窺えます。「非常に納得感がある」(18.2%)と「ある程度納得感がある」(68.7%)を合わせると86.9%にのぼっています。
また、「あまり納得感がない」、「ほとんど納得感がない」はいずれも0%であり、否定的評価は見られませんでした。なお、「判断できない」(4.0%)は、自由記述から、アセスメント結果の未受領や実施直後で判断材料が不足しているケースが含まれていることが判明しました。
このことから、アセスメント結果そのものについては、多くの企業から一定の信頼を得ているものと考えられます。
Q14の自由記述を見ると、納得感の背景として多く挙げられていたのは、「社内評価や上長の見立てとの一致」、「受講者本人の特徴や行動傾向を的確に捉えている」、「コンフィデンシャルレポートや報告会の説明が分かりやすい」という点でした。
特に、「現場で見ている印象と概ね一致している」、「本人・上長ともに違和感が少ない」といった声が複数見られ、第三者評価でありながら職場での印象と合致している点が納得感につながっていることが見て取れます。
一方で、「実務で発揮している能力との乖離を感じる場合がある」、「人事評価との相関が弱いと感じる場面がある」、「結果の根拠や使い分けをさらに明確にしたい」といった声もありました。
これらの意見は、評価結果そのものへの不信というよりも、アセスメントがどのような能力を評価しているのか、またそれが日常業務や人事評価とどのように関係付けられるのかに対する理解や共有の不足に起因している可能性があると考えられます。
以上のことから、評価の解釈や位置付け、活用方法の明確化に課題があることが示唆されます。こうした点については、リードクリエイトとしてもアセスメントの活用意図や評価の考え方に関する理解促進を図り、より効果的な活用につなげていくための情報提供を進めてまいります。
結果9:満足度
Q15:リードクリエイトのアセスメントプログラムを構成する以下の要素について、満足度をお聞かせください(n=99/単一回答)
サービス品質への高い支持がある一方、現場での実用性に向けた改善が課題
満足度(Q15)については、プログラム全体、アセッサー、受講者向けフィードバックレポート、人事向けコンフィデンシャルレポートのいずれも「満足」、「やや満足」が大半を占めており、全体として高い支持が得ていることがわかります。
特に、「プログラム全体(設計・構成・教材・進行) 」( 97.0%) 、「アセッサー(講義・評価・フィードバック) 」( 91.9% ) 、「受講者向けフィードバックレポート」(86.9%)、「人事向けコンフィデンシャルレポート」(86.8%)が肯定的な回答となっており、いずれの項目においても多くの企業から高い満足度が示されています。
一方で、一部では「どちらともいえない」、「やや不満」といった回答も見られ、すべての企業において十分な満足が得られているとはいい切れない側面も窺えました。
特に、「総合報告書(集計・分析・提言)」や「報告会/アセスメントレビュー」については、実施していないことを示す「なし」の割合が相対的に高く、提供機会や利用状況の差に加え、活用場面に応じた内容の分かりやすさや実用性の観点で改善の余地があると受け止めています。
これらを踏まえると、アセスメント結果及びサービス品質については一定の信頼を獲得している一方で、フィードバックレポートや総合報告書、報告会(アセスメントレビュー)といった各提供内容について、実務での活用場面に応じた分かりやすさや使いやすさを高めていく必要もあると考えています。
今後はこうした観点から、より現場で活用されやすい形での提供の在り方について検討を進めていくことが重要と捉えています。
結果10:効果実感
Q16:リードクリエイトのアセスメントプログラムについて、どのような観点で「効果を実感している」と感じていますか?(n=99/複数回答)
Q17:他社のアセスメントサービスと比較した際、どのような点をリードクリエイトの強みだと感じますか?(n=99/複数回答)
Q18:アセスメントにおいて高評価(例:上位10%)となった人材について、その後の実務における活躍状況は、どのように感じていますか?(n=99/単一回答)
アセスメントは、自己理解と共通の判断軸の形成に効果を発揮している
Q16の結果から、アセスメントの効果として最も高く認識されているのは、「受講者が自身の強みや課題を客観的に認識できるようになった」(80.8%)であり、次いで「共通の評価・判断軸を持つことができた」(61.6%)、「内省や行動変容のきっかけが生まれた」(58.6%)が続いています。
これらの結果から、アセスメントは個人の自己理解を深めるとともに、組織内での評価基準の共通化に寄与していることが明らかになりました。
一方で、「登用・配置に関する意思決定のスピードが向上した」(9.1%)や「社内に埋もれていた優秀な人材を発掘できた」(6.1%)といった直接的な人事成果に関する実感は相対的に低く、短期的な成果よりも自己理解の深化や評価基準の共通化といった、人材活用の土台づくりに寄与する側面が強いことが窺えます。
Q17では、他社サービスと比較した際の弊社強みとして、「評価結果(データ)の一貫性・説得力」(42.4%)、「アセッサー(観察・評価・フィードバック)の専門性・品質」(41.4%)、「オペレーション・運営(準備・進行・調整)の安定感」(41.4%)、「企画設計から実装・展開まで一貫して伴走する支援体制」(39.4%)が上位に挙げられています。
これらから、評価の質そのものに加え、運用・実行面を含めた総合的な品質が支持されていることが読み取れます。単なる評価ツールではなく、実務に組み込むための支援体制を強みとして認識されている点が特徴といえます。
一方で、「演習課題・教材コンテンツの品質」(16.2%)、「各種レポートの分かりやすさ・実用性」(12.1%)といった項目は相対的に選択割合が低く、提供価値のさらなる向上に向けた改善の余地がある領域として捉えています。
なお、「その他」(22.2%)の回答には「他社と比較していないため分からない」とする回答が20件見られました。この結果から、アセスメントサービスの導入においては、複数サービスの比較検討を経るというよりも、これまでの実績や信頼関係を背景に導入を検討いただくケースも存在している可能性が窺えます。
Q18においては、高評価人材の活躍状況について「活躍している」( 42.4% ) 、「どちらともいえない」(27.3%)、「把握できていない」及び「導入初期のため不明」が計30.3%となりました。否定的な回答は見られず、高評価人材の活躍に一定の手応えはあるものの、その効果を十分に把握・検証できていない企業も一定数存在していることが見受けられます。
以上を踏まえると、アセスメントは個人の自己理解の深化や評価基準の共通化といった、組織における人材活用の土台となる価値を提供している一方で、実務成果とのつながりや効果を把握・検証する仕組みについては、今後の重要な論点となると考えています。
結果11:人材育成の現状と今後の関心
Q19:管理職になる前段階から、プレマネジメント教育(マネジメントの視点・意識付け・スキルを身に付けるための準備教育)を実施していますか?(n=99/単一回答)
Q20:今後、特に関心のあるテーマについて教えてください(n=99/複数回答)
育成基盤の整備が進む中、人材活用の高度化・戦略化への関心が高まる
Q19の結果から、プレマネジメント教育については、「実施している」(34.3%)と「一部で実施している」(37.4%)を合わせると71.7%にのぼり、多くの企業で管理職になる前段階からの育成に取り組んでいる状況が確認されました。
一方で、「実施していない」(26.3%)も存在しており、育成の取り組み状況には一定のばらつきが見られ、プレマネジメント教育は広がりつつあるものの、全社的に体系化された取り組みとして定着している企業は限られているといえます。
Q20では、今後の関心テーマとして「個人の行動変容やキャリア自律の促進」(53.5%)、「後継者選抜(サクセッションプラン)やタレントプールの構築・運用」( 50.5%) 、「上司の関わり方や育成の質の向上」(49.5%)が上位に挙がりました。これらから、単なる評価や選抜にとどまらず、育成や人材活用をより高度化していくことへの関心が高まっていることが窺えます。
また、「人材データを活用した将来予測・配置最適化」(33.3%)や「人材データの可視化・ダッシュボード化」(32.3%)といった項目も一定の割合を占めており、人材データを活用した意思決定の高度化への関心も広がっている様子が窺えます。
これらを総合すると、多くの企業において管理職候補層への育成基盤は一定程度整備されつつあり、今後はその基盤を前提に、行動変容の促進や上司の関与強化、さらには人材データの活用による戦略的な人材マネジメントへと関心が移行している状況が読み取れるといえます。
まとめ:人的資本経営の実現に向けて、「評価・内省ツール」から「意思決定につながる仕組み」へ
本調査を通じて、アセスメントプログラムは単なる「評価のためのツール」にとどまらず、登用・配置判断における共通の評価軸の形成や、受講者本人の気づきの促進・育成支援、さらには育成施策との連動といった点においても、一定の役割を果たしていることが確認されました。
特に、自己理解の深化や判断軸の共通化といった効果に対する実感は高く、人材マネジメントの土台としての位置付けは広がりつつあります。
一方で、その活用はアセスメント結果の共有や個人単位での活用にとどまるケースも見られ、事前の目的・実施背景・期待事項の共有から、実施後の育成や行動変容への接続に至るまでを一貫して設計・運用できている企業は、必ずしも多くない状況です。
現場との連携においては、実施背景の理解や結果の意味合いの解釈、上司によるフィードバックレポートの読み解き、フォロー施策の設計・運用といったプロセスにおいて、改善の余地が窺えます。
また、データの管理・共有についても、人事部門内を中心とした運用にとどまる傾向が見られ、組織横断での共有や経営層への示唆提供、意思決定への接続といった観点では、十分に活用されているとはいえません。
アセスメントの効果を実感いただいている一方で、それを組織的な成果や人材戦略へとつなげていくための仕組みづくりは、今後の重要なテーマになると認識しています。
こうした状況の背景には、部門ごとに役割や評価軸が分かれる組織構造の中で、人材データを横断的に扱うことの難しさがあると考えられます。
特に、従業員数の多い企業においては、人事・現場・経営の間でデータの解釈や活用意図に差が生じやすく、結果としてアセスメントの活かし方にばらつきが生じている可能性が推察されます。
今後は、アセスメントを人材データを起点としたマネジメントの基盤として位置付け、事前・事後を含めたプロセス全体の設計と、現場を巻き込んだ運用の高度化に取り組んでいくことが重要であると考えられます。
特に、上長による結果の理解と主体的な関わり、育成施策との接続、データの一元管理と可視化といった観点が、取り組みの広がりを左右する重要な要素になるといえます。
また、リードクリエイトとしても、評価品質の向上に加え、その解釈や活かし方に関する支援や、現場で機能する運用設計、データを意思決定につなげていくための仕組みづくりへの支援を、今後さらに深めていきたいと考えております。
アセスメントの価値をより高めていくためには、「正しく評価すること」に加え、「活かし続けられる状態をつくること」が重要であると捉え、現場の実情に寄り添った伴走・支援ならびに、コンテンツ及び運用設計の高度化に、より一層取り組んでまいります。
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