ミドルマネジャーの育成

上司と一体で臨む
ミドルマネジャー育成と準備

ミドルマネジャー育成に関する
悩みや課題

古今東西、内容や難易度は変われど、ミドルマネジャー育成に関する悩みや課題は尽きません。リードクリエイトが支援する中でも、最も多く寄せられるテーマの一つです。

ご相談の際に感じるのは、世の中のトレンドやバズワードの多さです。
ジョブ型人事制度を導入すればミドルマネジャーの育成に変化があるのでしょうか、リスキリングを進めれば本当にマネジメントができるようになるのでしょうか。

ミドルマネジャーの育成に近道はありません。本質を押さえ、やるべきことを確実に行うこと。それが最適解だと私たちは考えます。

よくある
悩みや課題

  • 研修は実施しているが、期待通りの成果を出せる管理職が増えない
  • 部下に仕事を任せるのが苦手で、プレイングマネジャーというよりほぼプレイヤー化している
  • 次期管理職候補の絶対数が不足しており、その手前の層から抜擢せざるを得ない
  • 人材開発のリソースは有限。管理職である以上、必要なことは自主的に学んで欲しい

ミドルマネジャー育成の真実

ミドルマネジャーの育成には時間がかかります。この事実を理解していても、体系的に育成を行っている企業は少数です。多くの場合、管理職昇格時や新任研修で初めて「管理職の役割」や「求められる能力・行動」を伝えています。にもかかわらず、管理職としての行動や成果をすぐに求められることがあります。

私たちはこれを「出遅れプラン」と呼んでいます。対して「逆算プラン」は、育成には時間がかかることを前提に、早期から準備を進める方法です。特に、業務の習熟度で成果を上げてきた一般社員から、マネジメントやリーダーシップによって成果を出すミドルマネジャーへ転換する場合は、能力開発のために十分な準備時間を確保することが重要です。

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ミドルマネジャー育成における
研修の限界と実施意義

リーダーやマネジャー育成のスタンダードとされる米ロミンガー社の「70:20:10の法則」によれば、成長に最も大きな影響を与えるのは、タフな直接経験や挑戦的な取り組みです。研修などの学習機会の直接的な影響は限定的ですが、この法則が示す本質は、直接経験も他者からの学習も研修も、全てが必要だということです。

私たちは、研修(10%の学び)が、70%の直接経験や20%の他者からの学習の起点となるべきだと考えています。単に学ぶだけでなく、「業務でこう使ってみよう」と考えることや、自身の課題を把握して「この業務にこう取り組むことで成長できる」と気づくことが重要です。つまり、ミドルマネジャー育成における研修の最大の意義は、何かを学ばせる場ではなく、「何を学ばなければならないか」に気づきを提供する場にあります。

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上司が学ぶべき経験学習モデルと
1on1の活用

「逆算プラン」や「70:20:10の法則」に基づきミドルマネジャー育成を進める上で、上司の責任は非常に重要です。部下がミドルマネジャーとして成長するために必要な経験を設計・提供し、それを支えながらフィードバックやアドバイスを行う役割を担います。実際、ミドルマネジャー育成に必要な要素の約90%には、上司の関与が不可欠です。

「ミドルマネジャーとして成長するための経験」とは、以下のような挑戦を含むものを指します。

不慣れな仕事

経験したことがない業務やタスク、馴染みのない新しい役割など

変化の創出

従来とは異なる仕事のやり方や進め方、仕組みやツールの導入など

高いレベルの責任

高い期待や要求される成果水準、広い影響範囲や難易度の高い課題など

組織・担当外への対応

社内外からプレッシャーを受ける立場、権限を越えて影響力を発揮する必要がある立場など

多様性への対応

通常業務では関わらない、多種多様な関係者との協働プロジェクトなど

こうした経験を部下に提供した上で、上司はそれを成長につなげられるよう適切に関わる必要があります。ところが多くの管理職は、業務が上達するように指導することは得意でも、ミドルマネジャーとして必要な学びを部下から引き出す関わり方は十分に理解していません。
ミドルマネジャー育成では、上司が経験から学ぶ方法(経験学習モデル)を理解した上で、部下にどのように関わり、気づきを与えるかが非常に重要です。具体的には1on1などの機会を通じてフィードバックやコーチングを行い、成長を促すことが求められます。

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リードクリエイトが考える
ミドルマネジャー育成
プログラムの在り方

以下は、「70:20:10の法則」や「経験学習モデルと上司の支援」を設計の軸に据えた、育成プログラムの一例です。ミドルマネジャー候補には、昇格前の「準備期間」の設計を目的に実施し、既存のミドルマネジャーには、さらなる成長を促すことを目的として導入しています。

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上司向け研修

プログラムを成功させるために、上司による支援の理解と実践を目的に実施します。プログラムにおける上司の役割、70:20:10の法則、経験学習モデルと1on1の作法、アセスメント結果の活用方法などを学習します。

事前ガイド

プログラムへの動機付けと受講スタンスの基盤づくりを目的に実施します。プログラム全体の目的・概要、対象者への期待、起点となるアセスメント研修の位置付けなどを説明します。

アセスメント研修

「何を学ばなければならないか」に気づく場として、アセスメント研修を実施します。シミュレーション演習を通じて、自身のマネジメントの特徴やレベル感、課題を明確にし、成長のきっかけをつくります。

上司向けフィードバック面談

部下をミドルマネジャーとして成長させるプロセスや、取り組みを検討するための材料を提供する機会です。アセスメント研修の結果やその根拠を具体的に示すとともに、成長支援のためのアドバイスなどを行います。

1年後レビュー面談

1年間、経験学習を進めた結果について、面談でレビューや再度のフィードバック、アドバイスを行います。対象者の行動だけでなく、上司の支援状況も確認できます。

ミドルマネジャー育成に関するFAQ

Q.
ミドルマネジャー育成のための準備期間はどのくらい必要ですか?
A.

準備期間は一律には定められません。成長課題の内容や、現状と期待水準とのギャップによって大きく異なります。例えば、コア能力の開発・強化を目的とする場合、適切な経験の付与と支援を行っても1~2年程度かかるのが一般的です。一方、知識習得が中心であれば、半年~1年程度で成果が見込める場合があります。

Q.
「70:20:10の法則」が正しいなら、研修は不要ですか?
A.

研修(10%)は、残り90%の経験を効果的に活かすための起点として非常に重要です。健康診断で問題箇所を見つけて改善するのと同じように、研修で学んだことを定着させ、実務での成果につなげるための前提になります。研修が起点でなければ、学びを実務に活かすことも十分に進みません。

Q.
全員にタフアサインを割り当てられるプロジェクトがない場合はどうすればよいですか?
A.

部署や部門横断のプロジェクト、新しい取り組み、社外関係者が関わるプロジェクトは、タフアサインとして非常に有用です。ただし、必ずしも大規模である必要はありません。例えば、普段より高い成果水準を求める業務や、これまで担当していなかった業務・タスクを割り振るだけでも、効果的な経験につながります。

Q.
上司向け教育の必要性を理解してもらうにはどうすればよいですか?
A.

部下育成を「短期成果」と「長期成果」、あるいは「業務指導」と「後任育成」や「キャリア開発」などに分類・整理してみてください。多くの企業では「業務指導」は行われていても、「後任育成(=リーダー育成)」が十分でないケースが見られます。上司向け教育では、後任育成に焦点を当てることが重要です。後任育成が十分に行われないと、次のマネジャーの育成にも影響します。そのことを具体例を交えて示すと理解が得やすくなります。

Q.
プログラムの起点はアセスメント研修である必要がありますか?
A.

プログラムの起点はアセスメント研修である必要はなく、360度診断などでも構いません。重要なのは、自分の強みや課題を整理し、現状を把握する機会を持つことです。管理職になると上司からのフィードバック機会は減るため、この整理の機会が成長を効果的に促す出発点となります。