コラム|株式会社リードクリエイト

対面研修とオンライン研修、どちらの学習効果が高いのか?|コラム|株式会社リードクリエイト

作成者: LEAD CREATE|2024.11.04

コロナを境に研修実施の選択肢に「オンライン」という大きな変化が起こりました。一方、研修の実施形態がその成果にどのように影響を与えるのか、実際に多くの企業で議論が交わされており、我々もご相談をいただくことが多いテーマの一つです。

一般的に、対面研修は受講者間の相互作用やライブ感を通じて深い理解を促し、オンライン研修は時間や場所の制約を軽減し多様な参加者が気軽に学ぶ機会を提供します。これらの選択肢の中で、受講者の「成長」を促すのはどちらなのか。

本コラムでは、対面研修とオンライン研修それぞれの特徴や効果を探っていきます。

学習効果とは何か

学習効果とは、特定の学習体験が受講者に与える影響や、知識・スキルの習得、さらには行動の変容に対する効果を指します。企業における研修は、単なる知識の伝達に留まらず、受講者の思考や行動に変化をもたらすことが重要です。そのためには、受講者がその研修をどのように受け止め、どれだけ内省できるかが鍵となります。

対面形式の研修は、講師と受講者、また受講者同士のリアルなコミュニケーションを通じて、情報の共有や意見交換が促進されます。この環境は、受講者が自ら考えるきっかけや適時のフィードバックも得やすく、知識を深める効果が期待されます。

一方オンライン研修は、場所や時間の制約が少ないため、より多くの人が参加しやすくリソースの効率的な活用が可能です。また、研修中の自由度も高いため、自分のペースや過ごしやすい環境で受講することができます。しかし、画面越しの学びは対面に比べて相互作用が薄れ、一部の受講者は集中力を欠くリスクもあります。

ある調査によれば、オンライン研修は対面研修に比して、研修後の知識保持率が低い傾向との結果が出ています。自由度が高いがゆえに、受講者の学びへの影響も大きくなるということを示しているといえます。

そのため、研修も目的や目標、対象者の属性に応じて、どのような学習効果を期待し、そのために最適な研修形態を選ぶべきか、考えてみる必要があります。

対面研修のメリットとデメリット

オンライン研修のメリットとデメリット

ハイブリッド型研修の実態

ハイブリッド型研修は、対面研修とオンライン研修を組み合わせて、双方の良いところを活かそうとのアプローチとしてご相談をいただくことがあります。

たしかに、対面でのリアルタイムなコミュニケーションのメリットを活かしつつ、オンラインの柔軟性やアクセスのしやすさも担保でき、まさに良いとこ取りの手法になるのではないか?と理論上は考えられます。しかし、我々の経験上、うまく機能しない、もっというと効果性が下がる、というのが実態です。

その一番の要因は、参加者間の一体感を確保することが難しいという点です。例えばディスカッション場面では、オンラインの特性上どうしても間が生じるとともに、ノンバーバルな情報は伝わりにくいため、対面参加者とオンライン参加者ではスムーズなやり取りが阻害され、特にオンライン参加者が孤立感を覚える事態が散見されます。

また、対面研修では会場の雰囲気、休憩時間の雑談から受講者間の人間関係が形成され、その結果として議論が深まっていくことが見られますが、それらは対面参加者間のみで行われます。そのため、オンライン参加者はその関係性に入ることが難しくなるという点もあります。

今後、技術的な側面(適切な機材やソフトウェア等)における進化が実現すれば解決への道筋が見えてくるかも知れませんが、現状においては最適なアプローチは実現できておりません。

研修形態の最適化に向けた論点

では、研修の実施形態の選択にあたってはどのような観点で検討していくことが必要なのか、3つの観点で整理してみました。

まとめ

これまで、対面研修とオンライン研修の違いやその特徴について述べてきましたが、最も押さえるべき論点は「何のために実施するのか」に尽きます。これが抜け落ちてしまうと、まさに手段が目的化し、本来成し遂げたいことから遠い場所で議論が進んでしまいます。

他方、人事部を中心とした企画側の立場としては、社内の様々な声や制約がある中で検討を進めていかないといけない、できること、できないことがあることも重々承知しております。

そのような時は悶々と考えるのではなく、我々のような外部の視点も参考にしていただきたいと思います。最終的に本施策を通じて、受講者の方々にどのようになってほしいのか、そこを目指していくために何をすべきか等を、客観的かつ現実的な選択が行えるよう伴走していくことが我々の価値であると考えています。