「せっかく色々と考えて企画した研修なのに、受講者に積極的に参加してもらえない」
このようなお悩みをお聞きすることが多々あります。たしかに、講義をしっかり聞いてほしい、質問もしてほしい、他の受講者と積極的に意見交換をしてほしい、と考えるのは企画側の立場としては当然の思いです。
そのためには、企画時にどのような点に留意する必要があるのか、考察を深め、多面的な観点から施策を検討していくことが重要です。
研修成果の最大化に向けて、受講者の参加意欲を高めることは非常に重要な要素と言えます。受講者の意欲が高いとその結果はプラス方向に動くことは当然ですが、具体的には以下の成果が得られると考えます。
逆に参加意欲が低いと、上記のことはマイナス方向へと進んでしまいます。特に「研修の意義の高まり」は受講者のみならず、組織全体への影響が懸念されるため留意が必要です。
そもそも研修への参加意欲とは、受講者のどのような行動によって、その高低を判断できるのでしょうか。どうしても受講者の研修内での行動や振る舞いに目が向きがちですが、研修前後のプロセスにも目を向けていくことが重要です。
研修を企画する際、一般的には、①受講者の関心を引く内容や実務に直結するトピックを入れる、 ②受講者のニーズや要望に基づいてプログラムを構成する、③講義だけでなく対話やディスカッションを多く導入する等、研修の中身への関心が高くなります。もちろんこれらも重要な論点ですが、ロバート・ブリンカーホフ氏の4:2:4の法則にあるように、研修の前後策や周囲の関わりも重要です。
今回、4つの事例をご紹介します。前提として、各組織や各社員はそれぞれ違いがあるため、意欲が高まる動機も画一的なものではありませんが、自社の現状を踏まえ、施策を検討される際の参考にしていただければと思います。
私はプランナーという立場上、多くの人事の方とお会いします。その際に本テーマに関するお悩みをよくお聞きします。
これまで述べたような施策の重要性を分かっている、できるものであればやっているなど、それが実現できない制約や社内事情があることもお聞きしますし、歯がゆさを持っていることなども身に染みて感じます。他方、変化を起こそうとするとそれなりの困難があり、変化を諦めてしまうことは衰退への第一歩になるとも感じています。
いきなり全てを変えることは難しくとも、中期的観点から一つずつ変えていく、それが数年た経つと大きな変化になっていたとの事例も多く見てきました。
私たちは小さな変化を起こしていくための伴走者として、企業の人事の方々と歩んでいきたいと考えています。