私たちリードクリエイトは、創業来、発展的な組織の実現に向けた「リーダーの選抜と育成」を事業の軸としてサービスを展開してきました。
特に、組織のリーダーたる管理職候補者や次世代経営候補者へのアセスメントプログラムは、多くのクライアント企業にて導入・活用いただいており、人的資本経営やタレントマネジメントに代表される人事変革の大きな潮流の中において、ご相談を受けるケースが増えています。
本コラムでは、より難易度が高まる各社の人事課題に対し、私たちがどのようなスタンスで事業を展開している会社なのかを知っていただくことを目的に執筆しています。
営利非営利に関わらず、組織を運営していく過程においては様々な問題に直面しますが、組織運営の主体は人間です。そして多くの場合、経営陣や管理職などのリーダーとしての役割を担う人物が与える影響は大きく、組織を良い方向にも悪い方向にも導けるのは、リーダーの存在にかかっているといっても過言ではありません。これは、いくら素晴らしい制度を導入したとしても、最新のテクノロジーを取り入れたとしても、それを運用・活用していくのはヒトであり、ヒトという資本が生み出す成果を最大化するのは、それもまたリーダーというヒトなのだと考えます。
また、多くの組織が未来に向けて不安を抱いているという実感を持っています。これは、日本全体にも当てはまることかもしれませんが、未来に向けて組織を導く存在を欲しているのではないでしょうか。情緒的な表現になりますが、組織には「希望の光」が必要なのだと思います。答えのない世界の中で、理想に向かって前進していく力の存在、その一つがリーダーなのだと考えます。だからこそ、新たな価値の創出に向けてメンバーと共に成長し、発展的な組織づくりに貢献できる人材を育み、適切なタイミングでリーダーという役割に抜擢し、要所を任せていくという主体的かつ意図的なアクションに私たちはこだわっています。
一方で、前述の通り、多くの組織は「普通の人の集合体」であり、圧倒的な光となるリーダーが都合よく存在する訳ではありません。大事なことは、圧倒的ではなくても、未来に向けて変革を志向する意思であり、その意思を持った人材同士が協創によって組織を活性化していくことです。規模が大きな組織であればあるほど、歴史のある組織であればあるほど、変革の難易度は高まりますが、変革とは事業そのものを作り変えることを指すことに加え、先行きが不透明な中で現状を打破していく行動によって、そこで働く社員の意識を変えることでもあります。
リーダー適性のある人材の本質は、現状に満足せず、より高みを目指し、理想を目指して学び続けること、常に成長を志向することにあると考えます。普通の人間の集団が、継続的に成長し、発展していくためには、相応の努力が必要になるはずです。この点に目を背けることなく、投資すべきと判断した人材には積極的にチャンスを提供していくことで、結果として組織全体の幸福に繋げていくという考えが重要なのではないでしょうか。
創業来、組織発展におけるリーダー人材の重要性を謳い、その適性を評価するアセスメントサービスを提供し続けていますが、どのような手法を選択するにせよ、その結果が及ぼす大小様々な影響を考えると、「人を評価する行為」に対する誠実さは絶対に忘れてはなりません。私たちが見立てた評価結果が必ずしもベストではないという健全な否定的意識を持ち、常に最善を尽くしていくことが重要だと考えています。
一方で、私たちが存在する意義は、「埋もれた人材、埋もれた可能性を可視化すること」にあります。置かれた環境の影響や本人のマインドなどによって、発揮しきれていないポテンシャルを評価し直すことによって、個人と組織の双方にとってプラスとなる方向へと軌道修正をしたり、前進する後押しを行ったりすることに価値があると考えています。
上述を踏まえると、私たちが考える人材評価とは、何かを決めるための終点である一方で、何かを始めるための起点でもあるのだと思います。過去から積み上げてきた今という自身の状態を知ること、リーダー候補者群の状態を知ることは、これまでの歩みや成果の結果という側面がある一方で、これからの将来に向けた具体的なアクションを誘発する大いなる気づきの場でもあるのです。
繰り返しになりますが、人材評価においてはどのような手法を選択するにせよ、残念ながら100%正解というものは存在しません。だからこそ、闇雲に「正しい評価」を追求するのではなく、測定・診断した結果を当事者と共に確認・共有し、「未来に向けてどうしたいか」を考えるためのキッカケとして活かしていきたいと切に願っています。