コラム|株式会社リードクリエイト

【事例】経営人材候補をどのように見極め、育てるか?人材プールに向けたプロセスと施策の見直し|コラム|株式会社リードクリエイト

作成者: LEAD CREATE|2026.09.18

 

1. 判断材料の補完としての「アセスメントセンター」

従来のアクションラーニングは、実際の経営課題を題材に議論を重ね、仮説を構築し、提案をまとめるというものです。そのプロセスを通じて経営視点や戦略思考を磨くことができるため、育成施策としては非常に有効でした。

 

しかし、それのみをもって経営人材候補を判断することには一定のリスクがあります。経営人材には、戦略の立案や理解だけでなく、リーダーシップや周囲の巻き込みといった、組織を動かすための影響力も求められるからです。

 

また、その人の想いや価値観、資質といった「在り方」も重要な要素です。実際、G社の人事部も、こうした観点が重要であるという認識を以前から共有していました。

 

そこで、アクションラーニングの良さを活かしつつ、経営人材候補としての行動特性やリーダーシップスタイル、そして能力水準を客観的に把握するため、アセスメントセンターを組み合わせた選抜プロセスの導入を検討しました。

 

また、経営人材としての登用までには一定の時間があり、現時点で十分な水準に達していない候補者がいる可能性も考慮し、アセスメント結果をもとにした育成計画の立案支援も併せて検討しました。

2. 従来制度との整合性・公平性

経営層と人事部門で検討を進めた結果、アセスメントプログラムの導入意義については合意が得られたものの、従来の選抜制度との整合性や公平性の議論が挙がりました。

 

新たにアセスメントプログラムを導入することで判断材料が増え、選抜プロセスの条件が変わるため、過去に選抜された人材との違いが生じることへの懸念があったためです。

 

この点に対し、いくつかの対応策を整理しました。

まず、すでに候補としてプールされている人材については、実際の登用検討段階でアセスメントプログラムを実施し、同一の評価軸で判断材料を揃えることで公平性を担保する方針としました。

 

一方、新方式移行後に選抜から漏れた人材については、アセスメントのフィードバック機会を設け、能力開発へつなげていく環境を整備するとともに、将来的に再挑戦できる仕組みとすることで、公平・公正なチャンスを確保する措置を講じました。

3. アクションラーニングとアセスメントセンターを組み合わせた選抜プロセス

新しい選抜プロセスは、人事考課および上司・人事の推薦を踏まえた受講者選定から始まり、その後は大きく二つのフェーズに分かれます。

4. 成果と今後の課題

今回の取り組みにより、従来は見えにくかった潜在的な可能性やリスクが可視化され、これまでとは異なる観点からも意思決定が行われるようになりました。

また、選抜されなかった人材についても育成課題が整理され、個々の成長テーマに基づく支援が進められています。

 

一方で、新たに浮かび上がった課題もあります。それは、部長相当の階層から経営人材育成を開始するのでは手遅れとなる恐れがある点です。

持続的に経営人材を輩出するためには、より早い段階から意図的かつ体系的に育成を仕掛ける必要があるため、現在G社では経営人材育成を視野に入れた体系的な育成体系の再構築が次のテーマとして動き出しています。

 

このようにG社の取り組みは、「経営人材をいかに見極め、育てていくか」という問いに対し、選抜と育成を一体で設計・運用した好事例といえます。

リードクリエイトでは制度設計だけでなく、その運用や育成の実装までクライアントと伴走しながら支援を行っています。本事例が、経営人材選抜や育成の参考になれば幸いです。