本報告書は、リードクリエイトのアセスメントプログラム導入企業各社のご協力を得て、2026年1~2月に実施した活用実態調査の回答結果を集計し、全体傾向をまとめたものです。
本調査は、導入企業におけるアセスメントの活用実態を把握するとともに、人的資本経営に資する人材データ活用の在り方を整理し、サービスの品質向上及び付加価値の創出につなげることを目的としています。
近年、リーダー育成やタレントマネジメントの高度化を背景に、アセスメントの活用は、登用・配置判断にとどまらず、育成やキャリア開発、組織課題の把握など、様々な領域へと広がりを見せています。
本報告書では、導入目的や活用領域、効果・課題といった観点から、各社におけるアセスメントの活用実態を整理し、人材データ活用の現在地を明らかにしています。アセスメント活用の現状把握ならびに今後の施策検討の一助となりましたら幸いです。
導入時の主な懸念は「導入費用・運用コスト」に加え、「自社の等級制度・評価制度・人事制度との整合性」や「評価結果の信頼性・妥当性」が挙げられました(結果2参照)。
また、導入後の活用領域としては「キャリア開発・本人の気づき支援」が最も高く、「登用・配置判断の質向上」や「個人の行動変容・上司との関わり改善」など、人材選抜・登用判断にとどまらず、受講者の自己理解・成長支援としても活用が進んでいるといえます(結果3参照)。
効果としては「受講者が自身の強みや課題(啓発点)を客観的に認識できるようになった」、「経験や主観に依存しない、共通の評価・判断軸を持つことができた」、「フィードバックを通じて、内省や行動変容につながるきっかけが生まれた」が上位に(結果10参照)。
また、納得感についても約9割が肯定的に回答し、アセスメントが自己理解や行動変容の促進に加え、組織内における評価基準の共通化にも寄与していることが窺えます(結果8参照) 。
活用上の課題としては、「実施後のフォローや活用プロセスが明確になっていない」、「上司がフィードバックレポートの読み解き方を十分に理解できていない」、「人事システムとの連携がなく、運用が属人的になっている」が挙げられました(結果7参照)。
また、アセスメント結果のデータ管理も、社内の共有フォルダや個別ファイルとして保管される運用が主流となっており、システム連携を含めた一元的な管理・活用の仕組みは、十分に整っているとはいえません(結果4参照)。
さらに活用領域を見ると、「経営層への組織課題・人材戦略の示唆」や「各部門へのデータ提供による組織改善・支援」は限定的であり、活用の中心が個人や人事部門にとどまっている傾向も窺えます(結果3参照)。
以上を踏まえると、アセスメントは受講者の育成や評価基盤として一定の機能を果たしている一方で、人的資本経営の観点では、組織横断でのデータ活用や経営判断及び人材戦略への接続には、なお拡張の余地があるといえます。
今後は、データの蓄積・共有・活用に関する仕組みを整備するとともに、上司を含めた現場でのフォロー体制を強化していくことが重要です。
またリードクリエイトとしても、今回の結果を踏まえ、評価品質の向上に加え、アセスメント結果が現場で継続的に活用されることを前提としたコンテンツ設計や運用設計の改善に取り組んでまいります。あわせて、人材データを意思決定につなげていくための活用方法の整理や可視化の高度化を通じて、人的資本経営への接続を支える仕組みづくりに貢献してまいりたいと考えます。
Q2:リードクリエイトのアセスメントプログラムを導入している対象者(階層)と、それぞれの主な目的を選択してください(n=99/複数回答)
Q3:リードクリエイトのアセスメントプログラムの導入にあたり、検討段階での懸念点、及び導入プロセス上で障壁となった点についてお聞かせください(n=99/複数回答)
こうした結果から、アセスメント導入における障壁は、コスト面に加え、制度との整合性、効果を説明・検証することの難しさや社内の合意形成、現場への理解促進といった複合的な要素によって構成されていると考えられます。
Q4:リードクリエイトのアセスメントプログラムをどのような領域で活用していますか?(n=99/複数回答)
総じて、現状は個人の育成や評価を中心とした活用が進む一方で、組織横断でのデータ活用や経営の意思決定への接続といった領域においては、活用が限定的であるといえます。
Q5:アセスメント結果(個人データ/組織データ)は、現在どのように管理していますか?(n=99/複数回答)
Q6:アセスメント結果の「個人データ」は、社内のどの立場の方に共有・開示されていますか?(n=99/複数回答)
Q7:アセスメント結果の「組織データ(集計・分析結果)」は、社内のどの立場の方に共有・開示されていますか?(n=99/複数回答)
これらを踏まえると、アセスメントデータは個人単位では広く共有されている一方で、組織単位のデータは主に人事及び経営層にとどまる傾向があり、現場への展開や組織横断での活用には偏りが見られるようです。
この背景には、人事部門を中心としたデータ管理体制や、部門ごとに分散した情報管理の影響により、データの一元化や横断的活用が進みにくい構造が推察されます。
Q8:アセスメント結果の「報告会(アセスメントレビュー)」には、どの立場の方が参加していますか?(n=99/複数回答)
※その他:受講者の所属部門長や上長、各部門責任者、人事担当者など
リードクリエイトでは、アセスメント結果を組織的な意思決定や人材マネジメントに活用いただくためには、関係者が参画し、データの解釈や活用方針をすり合わせる場を設けることが重要と考えています。
そのため、こうしたアセスメントレビューの実施を推奨しており、このような場の設計と運用を、企業に価値ある取り組みとして捉えていただけるよう、今後も取り組んでいきたいと考えています。
Q9:人事部門から、受講者の上⻑に対して、アセスメントについてどのような内容を共有していますか?(n=99/複数回答)
Q10:アセスメントプログラムの実施前において、どのような施策・取り組みを実施していますか?(n=99/複数回答)
Q11:アセスメントプログラムの実施後において、どのような施策・取り組みを実施していますか?(n=99/複数回答)
以上を踏まえると、アセスメントは結果の共有までは広く行われている一方で、事前の認識合わせから事後の行動変容・育成への接続までを一貫して設計・運用している企業は一部にとどまっていると考えられます。
Q12:アセスメント結果を現場(上司・部門)で有効に活用する上で、課題となっている点は何ですか?(n=99/複数回答)
参考:
「その他」の回答では、アセスメント結果と育成施策や業務アサインとの連動が十分に図られていないことや、実施後のフォローの継続、現場での実践機会の確保、フィードバックのタイミングといった運用面に関する課題が挙げられている。
こうした結果から、アセスメント活用が進まない要因は、評価の妥当性そのものではなく、①活用プロセスの不明確さ、②上司・現場における理解不足、③制度・システムとの接続不足といった複合的な構造にあることが示唆されます。
背景には、人事・現場・上司の役割が明確に分かれている一方で、それらを横断する活用プロセスの設計が十分に行われていないことが推察されます。
Q13:リードクリエイトが提供するアセスメント結果について、どの程度「納得感」がありますか?(n=99/単一回答)
Q14:Q13の回答理由をお聞かせください(自由記述)
以上のことから、評価の解釈や位置付け、活用方法の明確化に課題があることが示唆されます。こうした点については、リードクリエイトとしてもアセスメントの活用意図や評価の考え方に関する理解促進を図り、より効果的な活用につなげていくための情報提供を進めてまいります。
Q15:リードクリエイトのアセスメントプログラムを構成する以下の要素について、満足度をお聞かせください(n=99/単一回答)
これらを踏まえると、アセスメント結果及びサービス品質については一定の信頼を獲得している一方で、フィードバックレポートや総合報告書、報告会(アセスメントレビュー)といった各提供内容について、実務での活用場面に応じた分かりやすさや使いやすさを高めていく必要もあると考えています。
今後はこうした観点から、より現場で活用されやすい形での提供の在り方について検討を進めていくことが重要と捉えています。
Q16:リードクリエイトのアセスメントプログラムについて、どのような観点で「効果を実感している」と感じていますか?(n=99/複数回答)
Q17:他社のアセスメントサービスと比較した際、どのような点をリードクリエイトの強みだと感じますか?(n=99/複数回答)
Q18:アセスメントにおいて高評価(例:上位10%)となった人材について、その後の実務における活躍状況は、どのように感じていますか?(n=99/単一回答)
以上を踏まえると、アセスメントは個人の自己理解の深化や評価基準の共通化といった、組織における人材活用の土台となる価値を提供している一方で、実務成果とのつながりや効果を把握・検証する仕組みについては、今後の重要な論点となると考えています。
Q19:管理職になる前段階から、プレマネジメント教育(マネジメントの視点・意識付け・スキルを身に付けるための準備教育)を実施していますか?(n=99/単一回答)
Q20:今後、特に関心のあるテーマについて教えてください(n=99/複数回答)
これらを総合すると、多くの企業において管理職候補層への育成基盤は一定程度整備されつつあり、今後はその基盤を前提に、行動変容の促進や上司の関与強化、さらには人材データの活用による戦略的な人材マネジメントへと関心が移行している状況が読み取れるといえます。
本調査を通じて、アセスメントプログラムは単なる「評価のためのツール」にとどまらず、登用・配置判断における共通の評価軸の形成や、受講者本人の気づきの促進・育成支援、さらには育成施策との連動といった点においても、一定の役割を果たしていることが確認されました。
特に、自己理解の深化や判断軸の共通化といった効果に対する実感は高く、人材マネジメントの土台としての位置付けは広がりつつあります。
一方で、その活用はアセスメント結果の共有や個人単位での活用にとどまるケースも見られ、事前の目的・実施背景・期待事項の共有から、実施後の育成や行動変容への接続に至るまでを一貫して設計・運用できている企業は、必ずしも多くない状況です。
現場との連携においては、実施背景の理解や結果の意味合いの解釈、上司によるフィードバックレポートの読み解き、フォロー施策の設計・運用といったプロセスにおいて、改善の余地が窺えます。
また、データの管理・共有についても、人事部門内を中心とした運用にとどまる傾向が見られ、組織横断での共有や経営層への示唆提供、意思決定への接続といった観点では、十分に活用されているとはいえません。
アセスメントの効果を実感いただいている一方で、それを組織的な成果や人材戦略へとつなげていくための仕組みづくりは、今後の重要なテーマになると認識しています。
こうした状況の背景には、部門ごとに役割や評価軸が分かれる組織構造の中で、人材データを横断的に扱うことの難しさがあると考えられます。
特に、従業員数の多い企業においては、人事・現場・経営の間でデータの解釈や活用意図に差が生じやすく、結果としてアセスメントの活かし方にばらつきが生じている可能性が推察されます。
今後は、アセスメントを人材データを起点としたマネジメントの基盤として位置付け、事前・事後を含めたプロセス全体の設計と、現場を巻き込んだ運用の高度化に取り組んでいくことが重要であると考えられます。
特に、上長による結果の理解と主体的な関わり、育成施策との接続、データの一元管理と可視化といった観点が、取り組みの広がりを左右する重要な要素になるといえます。
また、リードクリエイトとしても、評価品質の向上に加え、その解釈や活かし方に関する支援や、現場で機能する運用設計、データを意思決定につなげていくための仕組みづくりへの支援を、今後さらに深めていきたいと考えております。
アセスメントの価値をより高めていくためには、「正しく評価すること」に加え、「活かし続けられる状態をつくること」が重要であると捉え、現場の実情に寄り添った伴走・支援ならびに、コンテンツ及び運用設計の高度化に、より一層取り組んでまいります。